既存の運送業者が止めたくない3つの手続き|増車・車庫・特車を松本周辺で回すポイント
許可を取ったあとが、本番です。
一般貨物自動車運送事業の許可をすでに持っている事業者ほど、手続きは細かく、頻度も上がります。
増車したい日に車が動かせない。
車庫を借り替えたのに認可が追いつかない。
特車の期限切れに配車が引っかかる。
巡回指導の是正に追われる。
松本市神林を拠点とするリシン行政書士事務所は、新規開業よりも、すでに走っている事業者の変更手続きと運用支援に軸を置いています。
この記事では、既存業者が現場を止めないために先に見るべきポイントを整理します。
既存業者の手続きは「届出」と「認可」が混在する
新規許可は一度きりです。
一方、既存業者の手続きは日常業務の延長にあります。
長野運輸支局の案内でも、すでに事業を営んでいる方向けに、車両の増減・入替、営業所や車庫の位置変更が分けて示されています。
ポイントは、同じ「変更」でも届出で足りるものと、認可が必要なものがあることです。
- 届出:不備がなければ受理で完了しやすい。連絡書の発行まで比較的早い
- 認可:審査がある。標準処理期間は内容により1〜3か月程度かかるものがある
増車したい日、車庫の契約更新日、特車の運行開始日から逆算しないと、車両はあっても事業計画上は動かせません。
1. 増車・減車・代替は、車庫面積と処分歴で先に進めないことがある
既存業者から最も多い相談が増減車です。
ただし、車を発注した日にすぐ緑ナンバーへ切り替えられるとは限りません。
車庫の収容能力が足りない、直近の増車割合や行政処分の状況で届出ではなく認可になる、といった理由で、手続きが先に進めないことがあります。
長野運輸支局では、車両を増やす・減らす・台数は変えずに車両を替える場合に、事業計画変更届出と事業用自動車等連絡書などが必要です。
増車では宣誓書も求められます。
現場で止まりやすいのは、次の3点です。
車庫の収容能力
増車後の必要面積が、届出済みの収容能力を超えると、車両の届出だけでは足りません。
長野運輸支局の案内では、1台あたり必要面積を㎡で計算する旨が示されています。
車を発注してから面積不足に気づくと、車庫の変更が先になります。
届出で済む増車か、認可になる増車か
一定規模以上の増車や、法令遵守が十分でないおそれがある場合などは、届出ではなく認可申請が必要になります。
運輸局・支局の処理方針で基準が置かれているため、「前回と同じ届出で済む」と思い込むのが危険です。
増車割合:申請前3か月以内の増車台数との合計が、3か月前の配置台数の30%以上(かつ増車合計が11台以上)となる場合は認可申請
行政処分:営業所の累積違反点数が12点以上の場合は認可申請扱い
巡回指導:E評価(E判定)を受けた場合、直後の3ヶ月間は認可申請自体が不可となり、その後1年間が届出ではなく認可申請
最低車両数:原則5両(5両を割り込む減車計画は原則不可 ※霊柩・一廃等の特例を除く)
連絡書・ナンバー・封印の順番
連絡書が出ないと登録と封印に進めません。
運輸支局まで往復する時間が取れない事業者ほど、出張封印まで含めた段取りが必要です。
減車や代替も「台数が同じだから簡単」とは限りません。
入替は増車と減車の連絡書を分けて作る運用があり、車検証のタイミングと車庫図の更新がずれやすいです。
2. 営業所・休憩施設・車庫の変更は、契約より先に距離を見る
既存業者の拡張で次に多いのが、営業所や車庫の新設・移転です。
車両の増減と違い、施設の位置変更は認可申請になることが多く、標準処理期間も長く見ます。
松本市・塩尻市・安曇野市周辺では、借りたい物件が先に決まり、あとから距離と法令適合で戻ることがあります。
北陸信越運輸局管内の長野県では、営業所と車庫の距離は直線で5km以内です。
富山県・石川県のように10km以内ではありません。
前面道路、農地、用途地域、休憩・睡眠施設の扱いも、新規許可のときと同じ目で見られます。
既存業者あるあるは次のとおりです。
- 増車したいだけなのに、車庫不足で施設認可が先になる
- 契約開始日が認可より早い
- 休憩施設を営業所と別に置いたが、要件の説明資料が足りない
- 役員変更や運行管理者の選任届が後回しになり、巡回指導で指摘される
施設は「借りてから申請」ではなく、「申請が通る物件か」を契約前に見る方が安く済みます。
3. 特車通行許可は、許可そのものより期限管理で止まる
大型車・トレーラーを使う既存業者にとって、特殊車両通行許可は日常業務です。
新規申請より、更新漏れと経路変更の方が現場を止めます。
止めないために必要なのは、申請の代行だけではありません。
- 車両入替後も、許可の車両条件が古いままになっていないか
- よく使う発着地が増えたのに、経路が更新されていないか
- 許可期限の何日前に動くか、配車担当と共有されているか
特車は「取れた」ではなく「切れない」が成果です。
増車や代替と同時に特車を動かす案件は、連絡書の日程と許可の審査期間を一本のスケジュールに載せます。
特車通行許可の申請・更新はこちら
許可後に毎年発生する報告と、巡回指導
変更のたびに手続きがあるだけでなく、定例の提出と指導があります。
- 事業報告書(事業年度経過後100日以内が提出期限)
- 事業実績報告書(毎年7月10日までが提出期限。対象期間は直前の4月1日〜3月31日)
- 適正化実施機関の巡回指導
- 監査と行政処分を見据えた帳票
巡回指導で見られるのは、点呼、運転者台帳、車両関係、休息期間、社会保険、事業計画との整合です。
増車直後や車庫移転直後は、届出内容と現場の図面・台帳が一致していない指摘が出やすいです。
是正報告書を書く段階で依頼されるより、指導前に帳票と事業計画を揃えた方が処分リスクは下がります。
顧問支援が生きるのは、この「日常のズレ」を先に潰す局面です。
松本市周辺の既存業者に多い依頼の切り方
当事務所の対応は、新規許可のフルパッケージより、既存事業者の切れ目ない運用が中心です。
切り方は次のとおりです。
- 増車だけ、代替だけ、急ぎの連絡書だけ
- 車庫の収容能力変更と増車をセットで
- 特車の更新と経路追加だけ
- 巡回指導前の帳票点検と当日同行
- 月額の顧問で、変更・特車期限・報告期限をまとめて見る
すでに顧問の行政書士がいても、スポットでの依頼は可能です。
遠方の事務所だと、書類回収と封印、現地の車庫確認に日数が乗ることが理由です。
松本市神林から、塩尻市・安曇野市・山形村・朝日村など近隣へは現場確認を優先します。
確認するとよいチェックリスト
1. 今の配置車両数と、届出上の車庫収容能力は一致しているか
2. 直近3か月で何台増やしたか。次の増車は届出か認可か
3. 営業所と車庫の直線距離、前面道路、契約期限
4. 特車の期限と、入替車両の反映漏れ
5. 事業報告書・事業実績報告書の提出月
6. 運行管理者・整備管理者の選任届と、実際の選任者
7. 次回の巡回指導で見られる帳票の更新日
この7点が揃っている事業者は、増車の連絡も指導対応も速く終わります。
揃っていない場合は、車両発注や物件契約の前に一度整理した方が損失は小さくなります。
まとめ
既存の一般貨物事業者にとって重要なのは、許可の取り方ではありません。増車、施設変更、特車、定例報告、巡回指導を、運行を止めずに回すことです。
長野県では、届出と認可の切り分け、車庫の認可収容能力計算、営業所と車庫の距離目安(長野県は直線距離で5km以内)を、全国向けの解説と分けて見る必要があります。
基準の細部は長野運輸支局・北陸信越運輸局の最新案内で確認してください。
リシン行政書士事務所は、松本市神林を拠点に、すでに走っている事業者の変更手続きと運用支援に特化しています。
増車の可否確認、特車の期限整理、巡回指導前の点検だけでも構いません。
見積りは事前に提示します。
報酬の目安は料金案内で確認できます
ご依頼・ご相談はお問い合わせからどうぞ。
リシン行政書士事務所
代表 村山 匠


